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OSKの魅力

(1) ダンスレベルの高さ

OSKの第1の魅力はそのダンスレベルの高さです。 ショーやレビューの公演が多い劇団であることがその理由だと思います。 個々人のレベルが高いのはもちろんですが、群舞における振付の揃った様子は 他の劇団の追随を許しません。個人的なハイレベルな人は劇団四季や宝塚 歌劇団にもたくさんいますが、これほど全員のダンスのレベルが高い劇団は ないと言ってよいでしょう。

(2) 実力主義

宝塚歌劇団の本公演ではその組の全員が出演しますが、OSKではそうでは ありません。各所で複数の公演を行っているからというわけではなく、 その公演に出られる実力があるかどうかで決まっているようです。また、 OSK FACE という年1回発行される劇団員名簿の序列は完全に成績順で、 宝塚歌劇団のように学年・成績順ではありません。この成績は毎年行われる 試験と出演した舞台の数で決まります。

(3) 親しみやすさ

しかし、OSKの最大の魅力はその親しみやすさではないでしょうか。 劇団員個人のファンクラブも存在しますが、宝塚歌劇団と比べると はるかに規模が小さく、劇団員とファンの距離は非常に近いです (ベルばら以前の宝塚歌劇団もそうであったようですが)。

(4) チケット代の安さ

あやめ池の定期公演を観るとわかりますが、衣装は使い回しが多いですし、 音楽は録音です。劇団員の人件費も安いです(劇団レッスンなどなく、 個々人が自費でレッスンに通っています)。 だからあやめ池遊園地での定期公演の観劇料も安く抑えられるわけです (公演期間が長いのも安い理由の1つです。 総経費を公演日数で割って算出しているのでしょうか? 本来なら内容に 見合った金額を取るべきだと思うのですが)。 一般入園客の観劇料も安いのですが、さらに驚くべきことに、 OSK後援会会員はあやめ池定期公演の観劇料は非常に低額です (遊園地の入園料は無料となる)。 (実は2001年までの後援会員料金は遊園地の入園料が半額で 観劇料は無料でした。これまでも人数の計数はしていましたが、 現在の料金体系の方が自分の力で金を得ているという自覚が できて望ましいと思います。)


しかし、リストラによる劇団員数の削減、OSK日本歌劇学校の休校、 賢島宝生苑公演の終了など劇団を取り巻く環境は非常に厳しく、 そしてついに2003年5月をもって親会社の近鉄は劇団への支援を 打ち切ることを発表してしまいました。経営的に苦しい部門であった とは言え、近鉄劇場、小劇場の閉鎖と共に、文化を軽んじる会社という イメージが定着してしまうことは避けられないでしょう。

トータルで考えればOSKというレビュー劇団を 抱えていることはプラスになるのではないでしょうか。 (新しいスポンサーに対してもこの論拠はかなりの程度まで成り立つ 図式だと思います) その上で以下の提言をしてみます。

縮小再生産から拡大再生産への転換
OSKは宝塚と指向しているものは似ていますが前述したように劇団の個性は かなり異なっています。宝塚にないものをすでにたくさん持っているのです から、それに方向性を持たせて劇団の未来を示していく必要があるでしょう。 レビュー劇団としての持ち味を最大限に発揮して欲しいと思います。
OSK日本歌劇学校の募集再開を
人がなければ劇団が成り立ちません。特に宝塚やOSKのように未婚の 女性のみによって構成される劇団は定期的に団員を補充しないと 劇団として存在基盤が危うくなります。最低でも2年に1回は募集を実施すべき だと考えます。
よい作品があれば客は入る
OSKの弱点の一つは脚本と言えます。 「闇の貴公子」はとても優れた作品でしたし、興行的にも成功した 作品だったと言えるでしょう。 宝塚が人気を失わないのはその人数の多さと資金を生かした 多様性にあると思います (理事長の作品でコケても他の脚本家がバックアップするし、 いろいろなジャンルの作品を観ることができます)。
若手の起用
宝塚はトップスターが次々と退団していくことによって その活力を維持しています。 ですが、劇団員数の少ないOSKでは宝塚よりも在団年数が長くなるのは 仕方ないとも言えます。 春季あやめ池公演は実力のある下級生の抜擢の場であったわけ ですが、あやめ池公演をほぼ通年公演の状態にして若手の起用を 増やしてみてもよいのではないでしょうか。
一層の営業努力を
よい作品であってもチケットを売らなければ客は入りません。 近鉄沿線にポスターもろくに貼らないような姿勢ではいかんでしょう。 そして上演内容に見合った入場料を徴収して儲ける努力をすることが必要です。